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読書記録「コンテンツの秘密 - ぼくがジブリで考えたこと」 良いコンテンツを作るヒントが見つかった本です



川上量生さんの「コンテンツの秘密 - ぼくがジブリで考えたこと 」を読みました。

カドカワ株式会社 (KADOKAWA DWANGO CORPORATION) の代表取締役社長の川上量生さんが、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーに弟子入りし見習いプロデューサーとして過ごしながら、その中で考えたことがまとめられた本です。

 

本書は4章構成で、徐々にコンテンツの本質に迫っていく内容になっています。スタジオジブリの宮崎駿監督などの人物の話も出てきます。

 

ジブリの作品は何度見ても楽しいですよね。わたしはこの本で、ジブリの作品はなぜ何度見ても新しい発見があるのかについて気づくことができたように思えます。

第1章 - コンテンツの情報量とはなにか? - 「脳に気持ちのいい情報」を増やす

川上さんは、コンテンツに詰め込まれた情報量を「客観的情報量」と「主観的情報量」に分けて考えています。「客観的情報量」とはアニメの線の数や、コンピューターの画素数などの客観的基準で測れる情報の量です。「主観的情報量」とは、人間の脳が認識している情報の量です。

 

ジブリの宮崎駿監督は、脳が見ていて気持ちのいい絵を自然に描くそうです。宮崎駿監督は目が見たとおりをそのまま描きます。これを無意識でできるのが宮崎駿監督の才能なのだそうです。

 

3D技術の発達でゲームなどがよりリアルになりました。そのことで「客観的情報量」は飛躍的に増えました。けれどもそれに比例するように「主観的情報量」は増えていないようです。その影響なのか、絵はリアルになったのに、内容は薄く感じてしまうといったことが起きています。

 

そういった点から、ジブリの作品は、少ない「客観的情報量」で多くの「主観的情報量」を表現できているので、何度見ても新しい発見がある作品になっているのかもしれません。

第2章 - クリエイターはなにをアウトプットしているのか? - 「イケメン・美女」を書くのが難しい本当の理由

第2章は「コンテンツとは現実の模倣である」という仮説から始まり、第2章の最後には「コンテンツとは現実世界の特徴だけを単純化してコピーした脳のなかのイメージを再現したもの」という結論に至っています。

 

アニメーションの動きは、現実の人間の動きを忠実に再現したらからといって、必ずしも良いものにはならないそうです。現実の動きを忠実に再現しても、脳のなかのイメージを再現することにはならないようです。

 

そして、クリエイターとは、「脳のなかのイメージを再現する人」であると言っています。なので優れたクリエイターは「らしい動き」を描くことできる人なのだそうです。

第3章 - コンテンツのパターンとはなにか? - パターンをズラす、そしてお客とシンクロする方法

川上さんが着メロサイトを作った時の話で、音大生の人たちが作った原曲に近い着メロは高校生達に評判が悪かったそうです。普通の高校生達にとっては、原曲に近い音よりも「音が大きい」ことが「分かりやすさ」であり「良い着メロ」だったそうです。

 

人は「分かりやすい」ものを良いコンテンツと思うそうです。

 

作品において人気のあるものはパターンが似てくるそうです。それは、作品を見る一般ユーザーが望む作品のパターンは、ある程度決まっているからだそうです。一般ユーザーに見てもらおうと競争すればするほど、多様性が無くなってしまうということが起きてしまいます。

 

スマホのゲームが例に挙げられていました。ゲーム数は増えてもパターンは同じものが多いそうです。なので、キャラクターや舞台背景を変えたりすることで、違う作品のように見せています。

 

ただパターンはいつか陳腐化してしまいます。ワンパターンだと飽きられてしまいます。

 

パターンに引っかかりを作る

ジブリでは、「パターンに引っかかりを作る」ということをやっていたそうです。素直な線だとみんな見ているから飽きられる、引っかかりがあることで見ている人が気にするようになるのだそうです。それを実際に行った作品が「崖の上のポニョ」です。

 

パターンを予測させない

宮崎駿監督は、脚本なしに絵コンテから書き始めるそうです。そして、ある程度絵コンテがたまると、もう作品を作り始めるそうです。宮崎監督自身も話の展開を知らない状態なのだそうです。

 

その影響か、宮崎監督の作品は、物語の前半はゆっくりとした時間の流れでスタートしていきますが、後半の残り30分ぐらいから突然時間の流れが速くなります。後半30分で、物語の謎が全て一気に解決していくといったことがおこります。

第4章 - オリジナリティとはなにか? - 天才の定義、クリエイティブの本質はパッチワーク

第4章では、「すべての創作物は、クリエイターの過去の経験が元になっている」と述べられています。人生経験だけでなく、クリエイターが摂取したコンテンツまでも含むそうです。

読み終わって

この本を読んで、コンテンツ (創作物、作品)は、クリエイター (作り手)の過去の経験が元になっていることがわかりました。

 

ということは、良い作り手になるためには、「経験を増やすこと」や「既知のパターンを組み合わせて、新しいパターンを作ること」、「共同作業などで、他の人の経験を取り入れる」といったことが大切になりそうです。

 

 

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